本社を移転したら2週間以内に移転登記をする必要がありますが、届出の中には2週間より早く提出期限を設けているところがあります。
移転登記と各機関への届出についてチェックしておきましょう。
移転後すぐに!法務局・税務署への届出
移転後、まず「法務局・税務署への届出」を行う必要があります。
法務局へは移転後2週間以内に移転登記して「登記内容(登記事項証明書)」を変更しなければならないと会社法により定められています。
怠った場合は100万円以下の過料に処される場合がありますので気をつけましょう。
変更登記の申請をし、反映され登記事項証明書の取得ができるまで3~4日はかかるので余裕をもったスケジュールで動くことをお勧めします。
税務署へは「異動事項に関する届出」及び「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」
を異動後速やかに行わなければいけません。法務局と同時に済ませてしまいましょう。
窓口以外に郵送、インターネットを利用して電子的に手続が行えるシステムe-tax(イータックス)で届けることができます。
e-taxとは?
e-taxとは自宅から確定申告や納税が出来る国税庁のシステムで、使い始めるためには場合電子証明書の取得、開始届け出の提出をする必要があります。
その後、利用識別番号等を取得できるので、そこで初期登録が完了します。
利用開始まで少し手間がかかりますが、納税などの手続きをインターネット上で行えるので、引っ越し時バタバタしている時に移動しなくても手続きが行えるメリットのあるe-taxを導入することをお勧めします。
移転後5日以内に!年金事務所への届出
年金事務所には「法人の設立・設置・変更等に伴う届出(異動届)」を行います。
年金事務所の管轄内への移転の場合と管轄外への移転の場合では手続きに異なる部分があるので注意しなければなりません。
- 管轄内
「健康保険・厚生年金保険適用事業所所在地・名称変更(訂正)届」管轄内専用の用紙があります。事務センター、もしくは、管轄年金事務所へ届けてください。 - 管轄外
「健康保険・厚生年金保険適用事業所所在地・名称変更(訂正)届」管轄外専用の用紙があります。移転前の管轄年金事務所に届けてください。
届出先はともに窓口、郵送、総務省が運営する電子申請用のサイトe-Gov(イーガブ)となります。
e-Gov とは?
総務省が運営する総合行政ポータルサイトで、総務省管轄の事務所でしか行えなかった手続きの多くをインターネット上で行えるようにしたものです。
オフィス移転に必要な、各種保険と年金の手続きがオンライン上で24時間可能になります。
e-Govの利用開始手順としては、パソコンの動作環境がWindows7以降のバージョンで、Java実行環境が整っている必要があります。
また、動作環境の確認が終わった後、指定認証局で電子証明書を取得している必要があります。
最後に、e-Gov電子申請用のプログラムをインストールして完了です。
e-Govを活用出来れば、いつでも事務所で保険の申請が出来ます。
インターネットで行う点、e-Taxと同じで両方活用することで、保険や税務手続きを円滑に進めることが出来ます。
そのため、窓口で行っていた作業時間の削減につながり、オフィス移転など忙しい時こそ活躍するシステムです。
管轄内外どちらの申請にも必要な書類は登記事項証明書のコピーです。
抜け漏れなく・・・その他行政機関への届出
手続きが途中まで片付くと、安心して忘れてしまいがちになるので、最後まで気をつけて行いましょう。
- 都道府県税事務所
移転後10日以内に「法人の名称変更等の報告」もしくは「法人の設立等報告」
※どの都道府県での届出も大体同じですが詳細は事前に調べておく必要あり - 市区町村
移転後30日以内に「法人の設立・設置・変更等に伴う届出(異動届)」
※市区町村によって多少異なる部分があるので詳細は事前に調べておく必要あり - 労働基準監督署
移転後10日以内に「労働保険名称・所在地等変更届」 - ハローワーク
労働基準監督署への届出を終えた後で移転後10日以内に「雇用保険事業主事業所各種変更届」
※労働者を雇用してない場合、労働基準監督署とハローワークは不要
他に、郵便局の「転居・転送サービス」に申し込んでおきましょう。届出日から1年間、旧住所宛の郵便物等を新住所に無料で転送してもらえます。
まとめ
本社のオフィス移転はやることが多く、必要な届出やそれぞれに期限があることを忘れてしまいがちです。
届出の手順を抑えておくと効率的になり作業が楽になります。
余裕をもって早めに、かつ抜け漏れのないように事前に準備をしておきましょう。