「荷造りに始まり、荷造りに終わる」
こんな格言もあるほど、引越しにおいて「荷造り」は最も重要な仕事の一つです。 ※そんな格言はありません、、
なぜなら、引越しのなかでも荷造りは一番時間を取られる面倒な作業であり、かといって引越し業者に頼むと余計な出費にもつながるからです。反対に、ちょっとした手順とコツさえ知っていれば自分でも簡単にできるので、引越し費用を節約するポイントになります。それに気持ちよく新生活を始めるうえで絶好の ” 断捨離 ” のタイミングにもなるのです。
この記事では荷造りの手順とちょっとしたコツを紹介します。あなたも梱包上手になって引越し費用を節約し、すっきりと新生活をスタートさせましょう。
この記事の内容
でも、ちょっと待ってください。
なぜあなたは自分で荷造りをするのでしょうか? あなたの引越しは本当に自分で荷造りしたほうがお得なのでしょうか?
あなたが自分で荷造りするべき3つの理由
もし、あなたの引越しが次の3つのうち、どれか一つでも当てはまるのであれば、積極的に自分で荷造りをしていきましょう。
- できるだけ引越し費用を安くしたい
- 知らない人にプライベートな荷物を見られたくない・触られたくない
- すっきりと新生活を始めたい。そのために不要なものを処分したい
できるだけ引越し費用を安くしたい
自分で荷造りする最大の理由はコレですよね。
荷物の量にもよりますが、引越し業者に頼むと数千円~数万円もの費用がかかります。となれば、自分で荷造りして費用を節約したいとは誰もが考えること。とくに、単身者の場合は荷物もそれほど多くないので安く引越したいのであれば自分で荷造りすることを真っ先に考えましょう。
知らない人にプライベートな荷物を見られたくない・触られたくない
「荷造り」はプライベートな空間でプライベートな荷物を梱包していく作業のことです。
誰だって、知らない人に部屋の中や荷物をじろじろ見られるのは決して気持ちのいいものではありませんよね。とくに、単身女性の場合、下着類などデリケートな荷物を「作業員に見られたり、触られるのは絶対にイヤだ!」という人がほとんどのはず。なので、プライバシーを最大限に守りたいのであれば自分でダンボールに荷物を詰めていきましょう。
すっきりと新生活を始めたい。そのために不要なものを処分したい
引越しは ” 断捨離 ” の絶好のタイミングです。
「いつか使うかも、、」
あなたがそう思って、しまっておいたモノの多くが日の目を見ることはありません。「痩せたら着れる」なんて、昔の服を大事に保管しているのは、もはやファンタジーと言い切ってもいいでしょう。新生活ではまた新しい荷物が増えていきます。
なので、「いつも使っている」とか「これから使う予定がある」と、はっきり言えるもの以外はすべて処分してしまう。これも自分で荷造りする大きなメリットです。年末の大掃除以上に、引越しは ” 断捨離 ” できます。(だって自分で荷造りするのであれば、必ず、すべての荷物を触ることになりますからね)
引越し業者に任せると、無駄なくテキパキとすべての荷物を新居に送り込んでくれます。それが問題なのです。
繰り返しますが、引越しは ” 断捨離 ” の絶好のタイミングです。
ここまで読んで、自分で荷造りしようとやる気に燃えているあなた。
ここで、あなたには自分で荷造りするときに絶対に言ってはいけない言葉を紹介しておきます、、、
自分で荷造りするときの最悪のNGワードとは?
「まだ荷造りが終わっていません、、、」
引越し当日、荷物を運び出そうと玄関前に並ぶ作業員を前にして、この言葉、、、これは最悪のNGワードであり、禁句です。あなたも含めてすべての関係者にとって不幸な出来事になります。
なぜなら荷造りが終わっていないと引越し業者もトラックに荷物を積み込むことができず、出発できません。そうなるとスケジュールも押してしまい、最悪、追加料金を払って引越し業者に荷造りを手伝ってもらったり、引越し業者のスケジュールをおさえ直すようになります。
新居への到着が遅くなれば、当然、その分の荷解きも遅くなります。そうなると部屋の片付けも遅くなり、気持ちのうえでの疲れもドッと出てきます。あなたを中心として、あなたの引越しに関わった人すべてが時間的にも金銭的にも精神的にもマイナスになるのです。
引越し業者は追加料金がもらえるので儲かるじゃないか、と思う人もいるのですが決してそんなことはありません。追加料金以上に、スケジュールの遅れによる作業員の長時間拘束やトラックの費用など、じつは出費のほうが多くなるので割りに合わないんですよ、、、
なので、「まだ荷造りが終わっていません、、、」とならないように、余裕をもって荷造りを進めていきましょう。
荷造りを始めるのに最適なタイミングは?
では、どれくらい前から荷造りを始めればいいのか?
多くのお客様から聞こえてくる、荷造りにかかった平均時間は、
- ワンルームの単身者・・・4~5日
- 4LDKの4人家族・・・7~8日
になります。
当たり前ですが、荷造りの時間は荷物の量によって変わります。
単身者よりも家族の引越しのほうが、男性よりも女性の引越しのほうが時間がかかるようになります。これは女性中心の世帯ほどキッチン廻りの荷物や、衣類に靴、バス用品に化粧品、ほかにも細々したものが増えるからですね。
そのほかにも時間がかかった原因として梱包資材の調達が挙げられます。
「ダンボールが足りない!」など、荷造りの途中で梱包資材が足りなくなってしまうケースです。引越し業者に追加手配したり、自分でネット注文したり、手元に届くまで時間がロスになります。荷物を入れるダンボールが無ければ、それだけでその日の荷造りがストップしてしまいます。
「思ったより時間がかかる。どうしよう?」
これもよく聞く話です。
一人暮らしだからそんなに荷物はないよ、と思っていても長年住んだ部屋には思い出とともに荷物も増えていくものです。引越し経験者の平均時間を参考に、プラス1~2日ほど余裕をもっての荷造りを始めることをおススメします。
引越しのプロが勧める荷造りの順番
では、どんな順番で荷造りしていくのか?
鉄則は、「普段使わないものから先に荷造りする」です。
つまり、
- 普段使わないもの
- 使うかもしれないもの
- 普段使うもの
- 引越し直前まで使うもの
この順番で荷造りをしていきます。
いつも使うようなものから荷造りをすると、使いたいときに使えないので不便ですし、どうしても使わなければいけないときは梱包したダンボールをわざわざ開いて荷物を取り出さなければいけなくなります。
歯ブラシやシャンプーなどの日用品から荷造りする人はいないと思いますが、引越し直前まで着ると思われるスーツや洋服、靴のほか、最低限のキッチン廻りの荷物なども後回しにしたほうがいいでしょう。
荷造りの順番の具体例を挙げるので参考にしてください。
【具体例】普段使わないもの
- シーズンオフの衣類や履いていない靴
- 読むことのない本や雑誌
- 来客用や予備の食器
- 買い置きのシャンプー・リンス・洗濯用洗剤・食器用洗剤
- 夏場の加湿器、冬場の扇風機など使っていない家電
これらは真っ先にダンボールに詰めていきましょう。
【具体例】使うかもしれないもの
- 暖かくなり始めたころのコートやブーツ
- 寒くなり始めたころの暖房器具
- 天候に左右される長靴、レインコート、傘や傘立てなど
- 普段使っていないタオルなど
これらはダンボールに詰め終わっても、ふたを開けたまま(ガムテープを貼らない)のほうがいいでしょう。もし、使うことになってもすぐに取り出すことができ、使い終わったらダンボールに戻せます。なので、引越しギリギリまで開けたままにしておいたほうがいいでしょう。
【具体例】普段使うもの
- 歯ブラシ、歯磨き、シャンプー、リンスなどの日用品
- 食器用、洗濯用、浴槽用洗剤など
- 仕事で着るスーツや靴、カバンなど
- トイレットペーパー
詰め込むダンボールは余裕をもって準備しておき、前日あたりから詰め込みを意識していきます。
【具体例】引越し直前まで使うもの
- 掃除機
- ゴミ袋
- 軍手
- ガムテープやひも
- 古新聞
荷物を運び出したあとの部屋を掃除したり、新居でもすぐ使えるように掃除道具や梱包・開梱の道具は最後まで手元に置いておいた方が便利です。
また荷物を搬出して最後に残るのはゴミです。ゴミ袋は多めに用意しておきましょう。前もって処分できるゴミは早めに処分しておきます。燃えるゴミ・燃えないゴミやカン・ビン・ペットボトル、粗大ごみなど地域のルールを守って計画的に処分していきます。
荷物別の上手な荷造りのコツ
「重いものは小さなダンボールへ、軽いものは大きなダンボールへ」
「ダンボールの底はガムテームを十字型に貼る」
「ダンボールの側面には中身を必ず書く」
などダンボールを上手に使う方法については、こちらの記事を参考にしてください。
荷造りで用意しておく道具8選
荷造りで使う道具は最初に用意しておきましょう。
ここでは基本的な道具8選を紹介します。
- 軍手・・・着用することでケガを防ぎます。
- カッター/はさみ・・・荷造りの必需品ですよね。
- ガムテーム・・・丈夫な布テープもあると重ね貼りができるので便利です。開梱時の優先順位を示すのにガムテープを「赤・黄・青(緊急・まあまあ緊急・余裕あり)」の色違いにすると仕分けに便利です。
- 古新聞/プチプチ(エアーキャップ)・・・壊れモノを梱包するときに緩衝材は必需品です。古新聞はくしゃくしゃに揉んでいっぱいしわを作るのがコツです。
- テープ類(セロハン/ビニール/マスキング)・・・簡単に剥がせて痕も残らないマスキングテープもあると便利です。
- マジックペン・・・ダンボールの中身を書くのに太字を用意しましょう。
- 輪ゴム/クリップ/ビニール袋・・・小物類をまとめます。
- 工具類・・・家具を分解・組み立てるのに使います。
これに掃除機、雑巾やバケツなどお掃除グッズがあると便利です。
ダンボールやガムテープなどの基本的な梱包資材は引越し業者が無料で提供してくれる場合が多いですが、数量やサイズは業者によって違います。荷造りの途中で「足りない! どうしよう、、」と途中で買い足す羽目にならないように、十分な量がもらえることを必ず確認しましょう。
では次に、荷物別の上手な荷造りのコツを紹介します。
食器などのワレモノ
コップやお皿などのワレモノは、くしゃくしゃにした古新聞を使って一つひとつ丁寧に包んでいきます。
足つきのグラスはワレモノ同士の接触や荷重で足が折れやすいのでグラスの飲み口と同じ太さくらいまで緩衝材でぐるぐる巻きにして衝撃が伝わりづらくします。ちなみに高級なグラスほどガラスの薄いものも多くなるので気をつけましょう。
ダンボールの底にも緩衝材代わりの古新聞やプチプチを敷き詰め、その中に古新聞で包んだワレモノを入れていきます。お皿などは重ねて上に置かないように、縦に入れていきます。入れたワレモノとワレモノの間にも緩衝材を詰めてすき間を無くし、ダンボールのなかで動かないように固定します。そして最後にダンボールの上のほうにも緩衝材をかけてふたをします。
コミックや雑誌など本
小さめのダンボールを選び、自分で持ち上げられる程度の重さを目安に詰めていきます。
本をダンボールに詰めて運ぶときは寝かせた状態で詰めてくのが「本のダメージ」を防ぐポイントです。というのも、運ぶときに本を立てた状態では本の端が傷みやすくなるからです。もしも立てた状態で詰めていくのであれば背表紙を下にしましょう。
いずれにしても、本そのものが重さのある荷物です。詰めた本同士が干渉して傷む場合もあります。適度に、バランスよく入れて、すき間にはタオルなどを緩衝材代わりに詰めることでダンボール内で動かないようにしましょう。
読まない本も有力な断捨離候補です。
本棚を引越す場合はすべての本を取り出してから運びましょう。
本の詰まった本棚は、いくら屈強な作業員といえど持ち上げるのが難しくなります。それに運搬時の振動が本のダメージにつながります。前もって本棚があることを伝え、引越し業者の指示に従うのが無難です。
洋服やスーツなど衣類
夏場のダウンジャケットや冬場の浴衣などオフシーズンで普段着ないものから荷造りしていきます。
シワにならないように大きめのダンボールにゆったりと入れていきましょう。
引越し業者によっては、衣類専用の収納ケース(ハンガーボックス)を用意しているところもあります。事前に確認して、無料で使えるものはどんどん使うようにしましょう。
布団や座布団、クッション
圧縮できるものは圧縮袋に入れて、コンパクトにすると場所を取りません。夏場なら冬用の布団、またはその逆など、使っていない布団から荷造りしていきます。
来客用の座布団や少しの間使わなくても我慢できるクッションなども早めの荷造り候補です。
たまに、緩衝材代わりにして布団でワレモノを包む人もいますが非常に危険です。絶対にやめましょう。
大型家具
ソファーやダイニングテーブルなどの大型家具は、そのままでは運搬できないので分解して運ぶ場合があります。(その逆で、分解しないほうがいい家具もあります)
分解に自信がない場合など、無理に作業しないで引越し業者へ相談するようにしましょう。分解から組み立てまで対応してくれる丁寧な業者を選ぶのは基本中の基本です。
タンス
先ほど、「洋服やスーツなどの衣類はシワにならないように大きめのダンボールにゆったりと入れていきましょう」と言いましたが、じつは、衣類を入れたままのタンスをそのまま運搬してくれる引越し業者もいます! これだと荷造りする手間が省けて、ホントに便利です。
でも、重量級のタンスなど引き出しごとに一段一段抜き出してから運ぶ場合もあります。事前に相談するか、見られて恥ずかしいものはダンボールに入れましょう。中には引き出しが外せないタイプもありますが、その場合もダンボール詰めです。
冷蔵庫
前日までにコンセントを抜いて「水抜き」と「霜取り」をしておきましょう。
水抜きとは、製氷機内の氷や蒸発皿の水を捨てること。これをしておかないと搬入後の新居が水浸しになってしまいます。
霜取りも、コンセントを抜いた後は冷蔵庫のドアを開けたままにして庫内の霜を溶かします。そのときに、廻りが水浸しにならないように庫内にタオルなどを敷いておきます。(年式の新しい冷蔵庫では霜取り機能が備わっている機種もあります)
水抜きや霜取りを終えたら、電源コードを裏側にテープで留めておくと運搬がスムーズです。
中の食品は前日までに食べ切ってしまうのが理想ですが、難しい場合はクーラーボックスで保冷するという手もあります。(夏場など、食品の傷みやすい時期は気をつけましょう)
また、重さのある冷蔵庫を後から動かすのは大変なので、新居での設置場所は引越し業者にしっかりと指示します。ちなみに、新居への搬入が終わっても冷蔵庫の電源をすぐに入れることはできません。これは、運搬時の傾きや振動で不安定になった冷却装置を安定させるためです。新居で設置してから、1時間はそのままにしておきます。
そして電源を入れたら十分に冷蔵庫内が冷えているのを確認してから使うようにしましょう。十分に冷える目安として、夏場であれば約10時間、冬場でも約3時間です。
また、引越しは冷蔵庫内を掃除する絶好のタイミングでもあります。(いつも食品を入れている冷蔵庫って、なかなか電源を切って掃除する機会はありませんよね?)
きれいにしておくと、新居で気持ちよく使い始めることができますよ。
洗濯機
冷蔵庫同様に、洗濯機も前日までにコンセントを抜いて「水抜き」しておきます。
内部に水が残っていると、運搬中の水漏れや故障の原因になります。だから、完全に水を抜いておくようにしましょう。
洗濯機は全自動縦型やドラム式など、機種によって水抜きの方法が異なる場合があります。早めに取扱説明書で調べたり、分からない場合は販売店やメーカーに確認するようにしましょう。
ちなみに、ほとんどの引越し業者が取り外しと設置に対応してくれますが、機種によっては特殊な技術を必要とする場合もあるので事前に相談しておいたほうが引越し後にすぐに使えるようにしてもらえます。
洗濯機の引越しで注意する3つのポイント
- 新居に設置できるかどうか?
- 付属品は揃っているか?
- 床と水平に設置されているか?
洗濯機の引越しでは、この3つをよく確認しておきます。
新居の洗濯機パン(洗濯機の下に置くお皿)と洗濯機のサイズが合わないと設置できません。「せっかく運んだのに設置できない」を避けるためにも、必ず新居に設置できるかを確認しておきましょう。
また、付属品が足りないと水漏れなどのトラブルにつながり設置できないことがあります。反対に付属品や部品さえ揃っていればあなたに知識や技術がなくても引越し業者がなんとか設置してくれます。なので、購入時の付属品はすべて揃えておきましょう。
最後に、設置が終わったら、作業員と一緒に設置状況を確認しましょう。傾きやガタつきは振動と騒音、水漏れの原因です。床と水平に設置されているかを目視点検しましょう。
石油ファンヒーター、カセットコンロ
もしシーズン中の引越しであれば、運搬時の火災事故を防ぐためにも灯油は完全に抜いておきましょう。
卓上コンロなどもカセットを外しておきましょう。
パソコン
精密機械は振動や衝撃が大の苦手。即、故障の原因となります。
ほとんどの場合、引越し業者が梱包に対応してくれます。でも配線の取り外し、取り付けは自分で行わなければいけません。自信のない人は配線を外す前にスマホなどで接続状態の写真を撮っておくと取り付けのときに役立ちます。
また、データのバックアップは必ず取っておきましょう。多くの引越し業者では荷物の紛失や破損を補償していますが、外的要因なのか因果関係のわかりづらい ” 内部故障 ” は補償の対象外です。
データをバックアップする方法は機種によって異なるので必ず取扱説明書で確認してください。また以下のサイトを参考にするか、メーカーに問い合わせるのも有効です。
Windows サポート(PC をバックアップおよび復元する)
テレビやDVDレコーダー、オーディオ
パソコンと同じく、運搬時の振動や衝撃が故障の原因になる可能性大。ほとんどの場合、引越し業者が引越し当日に梱包してくれます。
それぞれ購入したときの箱に入れられるとGOODですよ。
まとめ
いかがでしたか?
引越しの荷造りは手順とコツさえ知っていれば自分でも簡単にできるので引越し費用を節約するポイントになります。そして気持ちよく新生活を始めるうえで、絶好の ” 断捨離 ” のタイミングにもなります。
もしわからないことがあれば引越し業者の人にどんどん聞いていきましょう。効率よく引越しを進めることは引越し業者にとってもメリットが大きいので荷造りの裏ワザなど、役立つアドバイスを積極的にしてくれますよ。