「ただ荷物をダンボールに入れていくだけ」
ひょっとして、あなたはそう思っていますか?
残念!
もし、あなたが荷造りを甘く見ているとしたら大変な目にあいます。
じつはダンボールの梱包は意外と手間のかかるもの。ちょっとしたコツを知っているのといないのとでは荷造りにかかる時間も大きく変わります。
「前日に一気にやろう」
そう考えていて、いざ荷造りを始めたら「夜通し荷物と格闘するハメになった」とか「ダンボールが足りなくて困った」なんてことも実際に起こっている話です。そのせいで引越し業者に追加料金を払ったなんて、笑えませんよね。
あなたの引越しではそんな事態にならないように、これから引越し用ダンボールの調達手段と上手に梱包する13のコツをお話します。
きっと、あなたの引越しに役立ちますよ。
この記事の内容
- 1 引越し用ダンボールの調達手段と上手に梱包する13のコツ
- 1.1 荷物の大きさに合ったサイズのダンボールを用意する
- 1.2 梱包に必要な道具を準備する
- 1.3 縦長の荷物などはダンボールをカスタマイズする
- 1.4 ダンボールの底はガムテープを十字型に貼って補強する
- 1.5 重い荷物は小さいサイズのダンボールに入れる
- 1.6 軽い荷物は大きいサイズのダンボールに入れる
- 1.7 重いものは下のほうに、軽いものは上のほうに入れる
- 1.8 ダンボールの中に隙間ができないように詰める
- 1.9 ダンボールが膨らむほど荷物を詰めない
- 1.10 入れる荷物は自分が持ち上げられる重さまでにする
- 1.11 ワレモノは新聞紙やプチプチなどの緩衝材で包んで縦に入れる
- 1.12 ダンボールに荷物名や搬入場所を書く
- 1.13 ダンボールを使わない
- 2 まとめ
荷物の量によっても変わりますが、単身者の荷造りで4~5日、4人家族の荷造りで7~8日が平均的な日数のようです。やはり、早め早めにダンボールを調達したり、荷造りを進めたほうがいいようですね。
引越し用ダンボールの調達手段と上手に梱包する13のコツ
これが引越し用ダンボールの調達手段と上手に梱包する13のコツです。
- 荷物の大きさに合ったサイズのダンボールを用意する
- 梱包に必要な道具を準備する
- 縦長の荷物などはダンボールをカスタマイズする
- ダンボールの底はガムテープを十字型に貼って補強する
- 重い荷物は小さいサイズのダンボールに入れる
- 軽い荷物は大きいサイズのダンボールに入れる
- 重いものは下のほうに、軽いものは上のほうに入れる
- ダンボールの中にすき間ができないように詰める
- ダンボールが膨らむほど荷物を詰めない
- 入れる荷物は自分が持ち上げられる重さまでにする
- ワレモノは新聞紙やプチプチなどの緩衝材で包んで縦に入れる
- ダンボールに荷物名や搬入場所を書く
- ダンボールを使わない
では詳しくみていきます。
荷物の大きさに合ったサイズのダンボールを用意する
引越しで使うダンボールには大・中・小など、いくつかのサイズがあります。
ダンボールのサイズは中に入れる荷物の大きさや重さ、荷物の種類によって使い分けていきます。
なぜ使い分けるのかというと、
- なるべく多くの荷物を一つのダンボールにまとめることで梱包・移送・開梱の作業効率が上がる
- なるべく重い荷物を複数のダンボールに分散させることで梱包・移送・開梱の作業効率が上がる
からです。
引越し業者によってダンボールの寸法は微妙に違いますが、大きく分けて2つのサイズを基本とするところが多いようです。
ダンボールのサイズとは?
よく宅配便を利用する人はわかると思うのですが、引越し業者のダンボールのサイズも縦、横、高さの3辺合計で「100サイズ」と「120サイズ」を基本とするところが多く、「100サイズ」を ” Sサイズ ” や ” 小さいサイズ “ 、「120サイズ」を ” Mサイズ ” や ” 大きいサイズ ” と呼んでいます。
たとえば大手の引越し業者HPで調べると、
- サカイ引越センター・・・Sサイズ(34㎝×35㎝×32㎝=101㎝), Mサイズ(34㎝×52㎝×35㎝=121㎝)
- アート引越センター・・・Sサイズ(35㎝×35㎝×35㎝=105㎝), Mサイズ(35㎝×50㎝×35㎝=120㎝)
- クロネコヤマト・・・Sサイズ(33㎝×34㎝×34㎝=101㎝), Mサイズ(33㎝×51㎝×34㎝=118㎝)
- 日本通運・・・Sサイズ(34.3㎝×34.3㎝×34.3㎝=102.9㎝), Mサイズ(34.3㎝×51.7㎝×34.3㎝=120.3㎝)
こうしてみると、ほぼ宅配便の「100サイズ」と「120サイズ」で用意しているのがわかります。
サイズ別で詰め込む荷物の種類としては、
- Sサイズ・・・本、陶器製の食器など重いもの
- Mサイズ・・・衣類やぬいぐるみなど軽くてかさばるもの
このような目安で荷造りしていくのがおススメです。
ダンボール必要数の目安
おおよそですが引越しに使うダンボールの必要数は、
- カラーボックス・・・1個~2個
- 衣装ケース1段分・・・1個~2個
- 衣装ダンス(小)・・・2個~3個
- 衣装ダンス(大)・・・4個~5個
- 食器類・・・3個~5個
- フライパンや鍋など・・・3個~5個
また、世帯人数でみると、
- 単身者・・・10個~15個
- 4人家族(ご主人・奥さん・小学生のお子さん2人)・・・40個~50個
現住所の間取り別でみると、
- 1K / 1R・・・10個~15個
- 1DK・・・20個~25個
- 2DK・・・25個~35個
- 3DK・・・30個~40個
- 4DK・・・40個~50個
ダンボールの調達手段
ダンボールの調達方法は大きく分けて4つあります。
- 引越し業者から無料・有料で受け取る
- 通販サイトで購入する
- ホームセンターなどで購入する
- ホームセンターなどで使用済みを譲り受ける
引越し業者から無料・有料で受け取る
多くの場合、よほどの格安プランでもない限り、中堅以上の引越し業者であれば最低限の必要数は無料でもらえます。
格安引越しを依頼したのに梱包資材を買ったら結局は高くついた、これでは意味がありませんよね。ある程度は無料で梱包資材を提供してくれる業者を選ぶと安心かもしれません。
無料で気をつけたいのはダンボールのコストがもともと引越し料金に含まれているようなケース。格安プランにダンボールを買い足してもトータル料金でみると変わらない、なんてこともあり得ます。無料のダンボールに無条件で飛びつくのではなく、見積もりをよく比較したうえで考えましょう。(ちなみに弊社では最大50個までダンボールを無料でお渡ししています)
また、引越し業者に頼むとほとんどの場合でダンボールは契約時に置いていったり、すぐに届けてくれるので、早くから引越し準備に取りかかれるのがメリットです。
通販サイトで購入する
通販サイトを使って安く手に入れる方法もあります。
いつでも注文できて、自宅で受け取れるので便利です。でもダンボールがいつ届くのか、発送日は必ず確認するようにしましょう。せっかく購入しても必要な日までに届かないようでは意味がありません。
ガムテープなど他にも必要なものがあれば一緒に手配してしまいましょう。後回しににして、うっかり頼み忘れた、なんてトラブルを防げます。
ホームセンターなどで購入する
ダンボールはホームセンターや100均ショップなどで購入することができます。
実際に、手にとってサイズ感などを確かめながら買えるうえ、持ち帰ってすぐに荷造りを始められます。それ以外にも引越しに必要な道具はここでほとんど揃えられます。
ホームセンターなどで使用済みを譲り受ける
ダンボールはさまざまな商品の運搬に使われているので使用済みのものをホームセンター以外の店でも調達できます。
たとえば、
- 食料品スーパー
- 家電量販店
- ドラッグストア
- コンビニ
ペットボトルなど飲料水の運搬用や家電製品で使われるダンボールは重さに強くて丈夫なため、引越しに向いたダンボールと言えます。
通常、引越しで使われるダンボールの耐荷重は15~20㎏。これを目安としてダンボールを探すといいでしょう。また、ある程度サイズが揃っていたほうが梱包から開梱までの間、スッキリと室内に保管できたり、運搬トラックへも無駄なく積み込めます。
ダンボールを再利用する場合の注意
使用済みダンボールを使う場合は古いガムテープをキレイに剥がしてから使いましょう。
なぜなら古いテープに重ねて新しいテープを貼ると剥がれやすいので梱包が解けてしまい危険だからです。また、ダンボール自体くたびれて強度が十分でない場合もあるので痛みの激しいダンボールの再利用にも注意しましょう。
梱包に必要な道具を準備する
梱包に必要な道具はあらかじめ揃えておくと、梱包の途中で足りない道具を探したりする時間のロスを防げます。使う道具がすでに梱包済みでもう一度ダンボールを開けるハメになった、なんてミスも防げます。
- 軍手・・・梱包には必ず軍手を着用してケガに気をつけましょう。滑り止めがついていると便利です。
- カッター/はさみ・・・言わずもがな、ですね。
- ガムテープ・・・丈夫な布テープを用意しておくと重ね貼りもできるので便利です。
- 新聞紙/プチプチ(エアーキャップ)・・・壊れモノを梱包するときに緩衝材は必需品です。
- セロハンテープ/ビニールテープ・・・配線をまとめるときなど、ちょっとした作業に役立ちます。
- マジック(フェルトペン)・・・ダンボールの中身を書いたりするのに太字があると便利です。
- 輪ゴム/クリップ/ビニール袋・・・小物類をまとめたり、収納するのに役立ちます。
- 工具類・・・カラーボックスや本棚など、家具を自分で分解するときに使います。
ガムテープや緩衝材など引越し業者が提供してくれることも多いのですが、数量やサイズなど業者ごとに違うので必ず確認するようにしましょう。
縦長の荷物などはダンボールをカスタマイズする
傘、突っ張り棒、自転車の空気入れ、脚立など、ダンボールに入れると頭が飛び出してしまう、、、見回すと意外とあるんですよね。縦長の荷物って。
そんなときはダンボールをカスタマイズして長いダンボールを作って対応します。ダンボール2個を縦に合体させてガムテームで固定すると縦長の荷物もすっぽり収納することができます。
良ければ下の記事を参考にしてください。
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ダンボールの底はガムテープを十字型に貼って補強する
ダンボールは梱包した状態で持ち上げると、中心部分に重さが集中します。
重さが集中することで中心部分のガムテープが剥がれてしまい、ダンボールの底抜けにつながるのです。ということは、ダンボールの底にガムテープを十字型に貼って中心部分を補強することで底抜けを防げるようになります。
なので、ダンボールの底はガムテープを十字型に貼って補強しましょう。ダンボールの底が抜けて大事な荷物を落としてしまった、なんてトラブルを防げます。
重い荷物は小さいサイズのダンボールに入れる
荷造りの鉄則ですが、本や食器類など重さのあるものは小さいサイズのダンボールに入れましょう。
本や食器類はひとつひとつに重さがあるので、まとめるとずっしり重くなります。
そうなると、
- 重すぎて持ち上がらない、運べない
- 重すぎてダンボールの底が抜けてしまう
という事態になります。
小さいサイズのダンボールであれば物理的な制限を受けるので詰め込み過ぎを防げます。
軽い荷物は大きいサイズのダンボールに入れる
これも荷造りの鉄則ですが、洋服やタオルなどの軽い荷物は大きいダンボールに入れましょう。
衣類はダンボールのサイズに合わせて畳むと無駄なく多くの枚数を入れられます。
目安として、120サイズのダンボールであれば、
- Tシャツ・・・40枚程度
- 長袖シャツ・・・20枚程度
- コートなどアウター類・・・5枚程度
スーツなどの ” 型崩れ ” や ” たたみじわ ” を防ぎたい衣類はハンガーにかけた状態で運べる「ハンガーボックス」と呼ばれる梱包資材を利用すると便利です。
重いものは下のほうに、軽いものは上のほうに入れる
重心が低いほうが荷物は安定します。
もしバランスの悪い状態で荷物を積み込んでいると、運搬トラックの走行中の振動やブレーキングなどで荷崩れを起こす可能性もあります。また、室内保管時にも何かの拍子で荷崩れを起こすと大変危険です。
なので、荷物を入れるときは重いものをダンボールの下のほうに、軽いものを上のほうに入れるようにしましょう。
ダンボールの中に隙間ができないように詰める
荷物と荷物の間が空くとダンボール内で荷物が移動したり、ワレモノなどはお互いが接触して破損の原因となります。
そうならないように隙間を埋めて荷物をダンボール内で完全に固定してしまいましょう。
具体的には荷物と荷物の間に新聞紙やタオルなどを詰めていき、デッドスペースを作らないようにします。
ダンボールが膨らむほど荷物を詰めない
無理に詰め込んでいくと荷物同士が押し合うので、キズついたり破損の原因にもなります。
また、ダンボールを積み上げたときに不安定になり、荷崩れの原因にもなります。それよりは適度な余裕を持って入れていきましょう。タオルを使うと調整しやすいですよ。
くれぐれも詰め込み過ぎに気をつけましょう。
入れる荷物は自分が持ち上げられる重さまでにする
トラックへの積み込みや引越し先への搬入は業者に任せるとしても、引越し先でのちょっとした移動など、あなたが行うこともあるでしょう。そんなときに重すぎて持ち上がらないと片付けが進みません。
一般的な荷造りの目安はダンボール1個につき、10㎏~15㎏の重さです。いちいち重さを計りながら荷造りはしないとしても、自分で無理なく持ち上げられる重さを意識して梱包していきましょう。
ワレモノは新聞紙やプチプチなどの緩衝材で包んで縦に入れる
ワレモノは新聞紙などでひとつずつ丁寧に包み込んでいき、陶器製のお皿などは上に重ならないように縦に入れていきます。
最初にダンボールの底にクシャクシャにした新聞紙やプチプチなどの緩衝材の敷き詰め、そのなかに緩衝材で包んだワレモノを入れていきます。入れたワレモノとワレモノの間にも緩衝材を詰めて隙間を無くし、なかで動かないようにしっかり固定します。最後にダンボール上部にも緩衝材をかけてふたを閉じます。
ワレモノを梱包するポイントは、
- すべての面を緩衝材で十分に包みこむ
- 上に重ねていかない
- なかで動かないようにすき間を作らない
です。
ダンボールに荷物名や搬入場所を書く
中身がわかると引越し先で必要な荷物を素早く取り出せたり、効率よく開梱ができるようになります。
「梱包に必要な道具を準備する」でも伝えましたが、太字のマジックではっきりと書いておくとあなただけでなく、引越し業者もどこに運ぶ荷物なのかわかるので、スムーズな引越しが行えます。
集中線ダンボール
ちなみに弊社では「集中線ダンボール」という遊び心たっぷりのダンボールを用意しています。
単調な作業になりがちな引越しにエンタメ要素を取り入れたいと、プロのデザイナーに考えてもらいました。その結果、エンタメから生まれた「集中線ダンボール」が世界4大デザイン賞のひとつともいわれる、公益財団法人日本デザイン振興会主催のグッドデザイン賞を受賞することになりました。
でも、受賞以上にうれしいのは ” 引越しは楽しむイベント ” として多くのお客様に認知されたこと。ソーシャルメディアでも拡散され、ものすごい反響がありました。集中線ダンボールを使ったお客様との記念撮影会が弊社の恒例行事となっているほどです。
関連記事のIDを正しく入力してください 関連記事のIDを正しく入力してください参考:日本グッドデザイン賞について ( http://www.g-mark.org/about/ )
ダンボールを使わない
引越し業者から梱包資材を借り受けることでダンボールを減らすというのも一つの手です。(さきほどの集中線ダンボールを否定するかのような話ですが、、、)
- ハンガーボックス・・・スーツなら10着程度、ワイシャツなら20枚程度を ” 畳みじわ ” なく運べます。
- シューズボックス・・・靴箱から専用ボックスに移すだけで簡単に運べます。
- 衣装ダンスカバー・・・タンスからダンボールなどに衣類を移すことなく、そのまま引越ししてしまう
- 食器類収納ボックス・・・緩衝材に食器をはめ込んでいくだけ。ひとつずつ包んでいく手間が省けます。
など、引越し業者の梱包資材を借り受けることで手間を大幅に減らすのも上手な梱包の手段です。
まとめ
ダンボールの梱包は意外と手間のかかるもの。ちょっとしたコツを知っているのといないのとでは荷造りにかかる時間も大きく変わります。
ここで紹介したコツは私たちプロも実践している優れワザです。
ぜひ、あなたの引越しにもお役立てください!