オフィス移転における物件の選定や契約は、不動産仲介業者を通じて行うのが一般的です。しかし、移転が初めての場合、どういった仲介業者へ依頼したら良いのか、そもそもコストがかかる仲介業者が必要なのかよくわからない担当者の方もいるでしょう。
そこでこの記事では、オフィス移転での仲介業者の役割や利用するメリット、業者の選び方について解説します。
この記事の内容
オフィス移転専門の仲介業者の役割
オフィス移転には、さまざまな業者が関わりますが、その中でも不動産仲介業者は、移転計画を施策する段階から関わるケースも多い、とても重要な存在です。
主に、物件の紹介や内覧の手配、契約や条件の調整などを、借り手とオーナーとの間に入って執り行うのが役割です。
不動産仲介業者には、住宅を主に扱う業者と、オフィスや店舗などの事業用物件を扱う業者があります。不動産仲介業のためには免許が必要ですが、この免許は住宅とオフィスで区分されるものではありません。なので、不動産仲介業者は住居もオフィスも仲介可能です。ただ、オフィス移転は住宅よりも移転規模が大きく手続きも増えるものなので、ノウハウを持つオフィス専門の仲介業者へ依頼するのがおすすめです。
なお、オフィス専門の仲介業者の中には、賃貸契約業務だけでなく、オフィス移転計画の策定やレイアウト提案なども扱う業者もあります。付帯業務をまとめて依頼できる仲介業者は、オフィス移転にともなう業務負担の削減に有効です。
オフィス移転時に仲介業者を選ぶポイント
オフィス移転を扱う仲介業者は数多くあるため、どこに依頼すべきかわからない方もいるでしょう。
オフィス移転は単なる引越しではなく将来への事業投資です。移転後の会社の将来まで考えた物件の提案が受けられるかが重要になります。自社に最適な業者を選ぶポイントを4つ紹介します。
仲介業者の専門分野で選ぶ
オフィス移転は、住宅の転居で必要になる契約や手続きと比べると複雑です。さらに、移転にあたり情報や精密機器などは慎重な取扱いが求められます。そのため、オフィス移転を専門に扱い、移転実績が豊富な仲介業者への依頼がおすすめです。
また、同じオフィス移転専門の仲介業者であっても、さらに得意分野は細分化されていきます。
例えば、移転費用削減に強い業者もあれば、ベンチャー企業案件を得意とする業者、エリア特化型業者、居抜きを得意とする業者など特色があり、取扱物件数や物件規模もさまざまです。仲介業者のWebサイトを参考に、自社の移転構想に近い実績やノウハウがあるか確認してみてください。
PM有無と実績で選ぶ
オフィスを扱う仲介業者には、物件の契約業務のほか、移転プロジェクト策定から内装構築までトータルに扱うPM(プロジェクトマネージメント)に対応する業者もあります。オフィス移転の計画から実行まで総合的にサポートしてもらいたい場合には、PMに対応する業者の選択が必要です。
PMから業者に依頼すれば、移転に関するさまざまなアドバイスやサポートを受けられます。オフィス移転を考えているものの「何から始めたら良いかわからない」「具体的なプランニングが難しい」といったときには、計画策定の段階から移転計画に携わってもらうのがおすすめです。プロの目が入ることで、自社だけでは見えていなかった課題の解決にも期待できます。
オフィス移転は計画から移転完了まで1年以上かかることもある、企業の一大イベントです。しかし、移転担当者は移転プロジェクトにかかりっきりになるわけにはいかず、並行して通常の業務もこなさなければなりません。
そのため、移転規模が大きくなれば、社内ですべて対応することは困難な場合もあるでしょう。PM対応の仲介業者を選択すれば、移転にともなう手配や手続きなどの作業もあわせて業者に任せられるため、担当者の負担を大きく軽減できます。スケジュール調整のトラブルで、余分な費用が発生するリスクもありません。
コミュニケーションの円滑な業者を選ぶ
オフィス移転では、コミュニケーションが円滑に取れる仲介業者を選ぶことも重要です。オフィス移転は時間も工数もかかり、頻繁に連絡を取り合わなければなりません。連絡のつきやすさや対応の速さをチェックしておきましょう。
また、移転について希望を細かくヒアリングしてくれるかどうかや、自社に対して適切なプランニングが行えるかも重要です。説明や提案のわかりやすさや、プランの説得性なども含めて判断しましょう。
オフィス移転には複数の業者が関わるため、関連業者間と上手くコミュニケーションを取れそうなのかも判断ポイントになります。口コミや会社の評判をチェックしてみるのも参考になるでしょう。
仲介手数料で選ぶ
オフィス契約の仲介手数料は、宅地建物取引業法により「月額賃料の1ヶ月分(税別)」+消費税が上限と定められています。この上限を超えて家賃1.5ヶ月分などの高額な手数料を提示するのは違反業者なので選ぶべきではありません。
また、仲介手数料は契約成立後に発生する成功報酬であり、成立前に手数料を請求することも禁止されています。不当な運営を行っている業者には注意しましょう。
なお、仲介手数料は上限以下であれば業者が自由に決められるため、中には賃料の0.5ヶ月分や無料の場合もあります。近年では価格競争も高まっており、広告費用などの営業コストを下げる業者も見られるようになりました。
しかし、一方でオーナー側が仲介手数料の負担を了承した物件のみを扱っているケースや、サービス内容を削っているケースも少なくありません。つまり、仲介手数料が低すぎる業者では、紹介物件が限られる可能性もあるのです。
仲介業者を選ぶ際に、仲介手数料の安さにばかり目を向けていては、自社に最適な物件の紹介を受けられないリスクがあります。サービス内容と比較して妥当な範囲で選択しましょう。
まとめ
オフィス移転での物件探しには、オフィス移転専門の仲介業者への依頼がおすすめです。仲介業者は、それぞれ得意な分野や業務対応可能な範囲が異なるため、自社が求めるオフィスに近い実績を豊富に持つ仲介業者を選びましょう。
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