オフィス移転はどの会社にとっても一大プロジェクト。
多くの時間、労力、お金をかけて、オフィス機能を移転させる大がかりな業務です。
オフィス移転する一番の理由は生産性の向上。移転が成功するか、失敗するかで会社の運命が決まると言っても過言ではありません。
その為、競合会社がオフィス移転をする際には、その理由を知る事で新たな情報に気付けるかもしれません。
この記事の内容
競合会社のオフィス移転の理由を知る
競合他社がオフィスを移転する理由を知ることで、自分たちのオフィス移転の具体的な気づきになります。
なぜ競合会社はオフィス移転したのか、その具体的な理由を見ていくと、自分たちもオフィス移転が必要する場合があります。
これからご紹介する、競合がオフィスを移転する7つの理由を知って、あなたのオフィス移転にお役立てください。
競合の移転する理由から “気づき“ をどんどん取り入れて、あなたの会社のオフィス移転を大成功に導きましょう!
競合がオフィスを移転する理由①広いオフィスで生産性を向上させる
やはり、一番多い理由は広いオフィスに移転して生産性を向上させる事です。
広いオフィスに移転して生産性を向上させるとは、単にオフィススペースを広げるだけではありません。増えた社員の分も動線を考えたり、什器・OA機器の配置を工夫して、オフィス全体の作業効率を上げることを意味します。
動線設計
広いオフィスに移転するといってもオフィススペースは無限ではありません。
限られたスペースで最大限に作業効率を上げる。そのためには動線設計が重要です。メイン動線(社員が頻繁に行き交う通路)とサブ動線(それほどでもない通路)で使う面積をバランスよく配分する必要があります。
例えば、営業担当者の動線と経理担当者ではよく使うオフィス什器も違ってきます。なので、動線設計には各部署の責任者を交えて十分な打ち合わせをしていきます。動線設計はオフィスレイアウトの基本中の基本なのでしっかりと話し合いましょう。
一般的に、オフィスレイアウトには基準とするべき通路幅が定められています。業務を円滑に回すためにレイアウトごとの基準もあるので、経験豊富な専門家の意見を聞いたほうがいいでしょう。
共有スペースの設計
ほかにもミーティングルームを増やしたり、大人数を収容できる会議室の設定も、オフィススペースを広げるときによく検討されるところです。
例えば、ミーティングルームなどの共有スペースがいつも社内で取り合いになっている、、、
もしそうあれば、社員が使用スケジュールの調整に無駄な労力を使っているかもしれません。それに打ち合わせの遅れが案件に対する意思決定のスピードを落としていることも考えられますよね。
無駄のないスケジュールは一見、効率的に予定が組まれている気がします。
でもイレギュラーが発生すると社内調整を最初からやり直したり、クライアントとの大事な打ち合わせや見込み客との商談を設定し直したりと「リスケ」に、ものすごいエネルギーを費やすことになります。
これでは組織全体の生産性を落とすばかりか、新しいビジネスチャンスを潰すことにもなりかねません。
なので、スケジュールに適度な遊びをつくっておいたほうがものごとがスムーズに進むことも多いのです。そのためには共有スペースの数も考えておきたいポイントです。
競合がオフィスを移転する理由②有利な採用活動
リクルート会社の調査によると、ここ数年の就職活動においてオフィス環境の良さを入社の判断基準にする傾向が強まっているようです。つまり就業希望者に対する、オフィスの「見せる化」ですね。
新卒採用の場面で就活者にアンケートを取ると、
「自分のやりたいことがやれるかどうか」
「事業規模や事業内容」
「会社の将来性」
といった答えがよく見られますが、これらがすべて本音とは限りません。もっと単純に感覚的な判断をする人もいるでしょう。
例えば、老朽化したビルに入っている企業と新しいオフィスビルに入っている企業を比べたとします。そのときに両者の直近3か年の売上はどうか、貸借対照表はどうか、業界トレンドはどうか、と調べるよりは「新しいオフィスビルに入っているんだから業績も良さそう」と考える人も少なくありません。
とくに中小企業や零細企業のほとんどが売上や財務に関する情報を公開していません。だから、オフィスの「見える」部分で入社を判断してしまうことも多いようです。
では、どのように「見せ」ればいいのか?
企業側としては、このように「見せ」て企業イメージを伝えるケースが挙げられます。
- 眺望の良いオフィスで社員のステータス感を伝えたい
- 壁や間仕切りを少なくして風通しの良い企業イメージを伝えたい
- クリエイティブなデザインで創造性豊かな企業イメージを伝えたい
- バリアーフリー化で社会に優しい企業イメージを伝えたい
ほかにも、駅チカで雨に濡れずに通勤できるといったオフィスへの通勤アクセスの良さを「見せて」いる企業もあります。
労働力の確保が重要とされる業種であれば、採用したい社員に向けてオフィスの「見せる化」はぜひ考えたいところですね。
競合がオフィスを移転する理由③社員の離職防止
女子社員の定着率を上げるためにはトイレの機能面や清潔感などは重要なポイントです。
リクルート会社の調査によると、最近では男性社員もトイレ設備の充実をオフィス環境の優先事項として挙げることが多いそうです。
古いオフィスビルなどでは、今だに男女兼用トイレのところもあるようですが、、、断言します。
男女兼用トイレに理解を示す女性社員は存在しません。男性社員だって女性社員の視線に居心地の悪さを感じています。
もし、あなたのオフィスに女性社員が多かったり、若い男性社員が多いのであればトイレの機能面や清潔感は絶対に無視できません。
トイレ以外でも、社員アンケートでオフィス環境の不満を吸い上げて改善に取り組む企業は増えています。
採用以上に重要なのが大事な戦力となった社員の離職防止。そのためにオフィス環境の改善はとても重要です。
競合がオフィスを移転する理由④ビジネス上の好立地
ビジネスを進めるうえで有利な場所に移転する企業も多いです。
「住みたい街」ならぬ、ビジネス上の有利な場所にオフィスを構えるというのは営利を目的とする企業であれば当然のことと言えます。
たとえば、IT企業やソーシャルゲーム企業などであればインターネットの関連企業が多く集まる渋谷周辺にオフィスがあったほうが市場(マーケット)リサーチに有利とされています。
(渋谷はつねに最新の流行や商品のトレンドが溢れているので頻繁にリサーチしたり、アイデアが生まれやすい街として人気)
また、電気店は秋葉原に店を構えていると同業者が多いので集客の相乗効果が生まれやすいとされる人気のロケーションです。
(確かに、電化製品を買いに秋葉原へ行くというのは日本人だけでなく、海外からの旅行者にとっても当たり前のイメージになっています)
そのほか、銀行や証券会社などの金融関係なら丸の内や大手町、兜町などの立地でしのぎを削りますよね。
(国の方向性とも言える金融政策情報の発信地に近く、同業者も多く集まっているので情報収集にも有利)
このように事業活動において、オフィスの立地場所はとても重要です。
ベンチャー企業の場合は、顧客や取引先の信用度を上げるためにあえて一等地にオフィスを構えるという戦略も取られます。
また、金融機関との取引においても立地場所は重要で、オフィスの立地場所で融資の可否を判断されることもあるようです。大手企業の本社が多くある場所などは社会的信用が高くなる傾向にあるため、企業のイメージアップに繋がることが期待できます。
ぜひとも業界業種や顧客、取引先に合わせた立地戦略を考えたいところです。
競合がオフィスを移転する理由⑤防災
今や、社員の安全を確保するのは企業の重大な責務です。
日本では2000年以後M7クラスの直下型大地震が毎年のように発生している。特に中央~西南日本では,海溝型の巨大地震が発生する前後には内陸直下型地震の発生頻度も高くなることが過去数100年間の歴史資料により明らかになっている。
1944年の東南海地震(M7.9)と1946年の南海地震(M8.0)以後,1948年の福井地震から1995年の阪神大震災までの約50年間は比較的地震の発生が少なく,日本はこの間に高度経済成長を遂げた。
しかし2000年以後の地震頻発傾向は,今後数10年間続くと考えた方がよい。
引用:日本地質学協会HP『世界のM9地震と地質学の課題』より
甚大な被害をもたらした東日本大地震、また今後想定される南海トラフ地震などによってオフィスビルへの耐震、免震、防災備蓄への意識が格段に高まっています。
地質環境を考えると、今も昔も、そして未来も日本経済は地震と向き合っていかなければならず、企業活動のあり方も「あってはならない」から「あったときにどうするか?」に変わりました。
やはり、少しでも安心安全にビジネスに取り組むためには可能な限りの防災設備が必要ですよね。
ちなみに、ビル火災の原因で目立つのもやはりビル設備の老朽化によるものです。
競合がオフィスを移転する理由⑥セキュリティ対策
個人情報や機密情報の漏洩は企業活動に大きなダメージを与えます。最悪の場合、もう立ち上がれくらいの強烈なダメージになることも。
社員の意識を高めることはもちろんですが、オフィスの入退室管理や通信設備、インターネット環境のセキュリティ対策などハード面での改善も欠かせません。
目に見えてハード面が変わることで社員の意識レベルも向上します。
顧客や取引先に安心してもらうためにもオフィス移転を機にセキュリティを見直す企業は多いです。
競合がオフィスを移転する理由⑦戦略的な規模の縮小
業績悪化で規模の縮小と経費の削減が求められる場合もあります。
もし、営業機能のないオフィスであれば、それは単なるコストセンターに過ぎません。なおさら、すみやかにオフィスコストを見直すのは正しい経営判断です。
でもそこで気をつけたいのは関係者への伝わり方。規模の縮小が顧客や取引先、金融機関、社員などに好意的に受け止められるとは限りません。
単に「経営状態が悪いのでは?」と思われるのと、「戦略的な規模の縮小だ」と思われるのでは、今後の展開が大きく変わってきます。
マイナスイメージを持たれないためにも、たとえオフィスの規模は縮小しても経営状態は健全である、ということを普段から各方面にアピールしておく必要があるのです。
今はオリンピックも「コンパクト」を目指す時代です。「縮小」よりも「コンパクト」な経営アピールは決してネガティブなイメージとは限りません。
まとめ
オフィス移転は会社にとって多くの時間、労力、お金など大事なリソースを投入して、オフィス機能を移転させる一大プロジェクトです。(失敗は許されませんよね)
せっかく会社の一大プロジェクトに取り組むのなら、移転前よりも生産性の高いオフィスに移りたいですよね。
ぜひ競合他社がオフィスを移転する目的を参考にしてみてください。
新しい気づきがあなたのオフィス移転を本当の意味での成功に導いてくれるはずです。