オフィスを移転する際、ネットワーク移設が大きな課題となっている企業は多いです。ネットワークの移設が上手くいかないと、業務にも大きな支障をもたらすので、基礎知識を知っておきましょう。
ここでは、ネットワーク移設を行う前に確認しておきたいことをはじめ、ネットワーク移設ではどのようなことを行うのか、注意点などを詳しくまとめました。オフィスの移転を検討している際は、確認しておきましょう。
この記事の内容
ネットワーク移設で事前に確認しておきたいこと
まずは、ネットワーク移設で事前に確認しておきたい事項について解説します。
工事区分
オフィスの工事には、A工事、B工事、C工事と呼ばれる3つの区分があります。これは、借主と貸主で、どちらが工事費用を負担するのかを明確にしたものです。
工事区分 | 費用負担 | 業者の選定 | 発注 |
A工事 | 貸主 | 貸主 | 貸主 |
B工事 | 借主 | 貸主 | 借主 |
C工事 | 借主 | 借主 | 借主 |
これらの工事区分は、契約時点で決まります。ネットワークの工事業者を自社で決定できるのはC工事のみとなるため、契約前に工事区分を確認しておくことが重要です。
床の種類
床下に配線用のスペースがある床の場合と、そうでない床の場合とでは、配線方法が異なります。OAフロアやフリーアクセス床なら、床下に基盤となるLANケーブルを埋め込めるため、レイアウトの変更時に配線を再整備する手間が省けますが、古いオフィスビルは、対応していない場合が多いです。
オフィスを契約する前に、床下配線ができる床かを確認しておきましょう。床下配線ができない床でも、天井に配線する空間がある場合もあります。
オフィスのレイアウトの自由度を上げたいなら、配線が剥き出しにならないようにできるのかを確認しておきましょう。
ネット回線の開通工事の必要性
ネット回線の整備が行われていないオフィスビルへ移転する場合は、開通工事が必要になります。
開通工事をする場合、まずは、ネット回線事業者を選んで工事日の予約をしなければなりません。しかし、引越しが多い季節だと予約がなかなか取れないことも想定されます。
ネット開通まで2ヶ月くらいは余裕を見て、移転先が決まり次第、すぐに申し込むようにしましょう。
オフィス移転時のネットワーク移設に必要なこと
オフィス移転時のネットワーク移設では、後にトラブルにならず、スムーズに業務にとりかかれるよう、慎重に行わなければなりません。
サーバーの移設
社内にサーバー機器がある場合は、移動する日にシャットダウンをしなければなりません。シャットダウンすると、さまざまな業務に支障をきたすことが想定されるため、あらかじめ社内で周知しておく必要があります。
レンタルサーバーを利用している場合は、レンタル業者に移転手続きを行わなければなりません。移転日や移転先を伝え、どのような手順で手続きするのかを確認しておきましょう。
また、移転に伴い、サーバーのレンタル先を変更する場合には、オフィス移転前にサーバーをレンタルします。
オフィスを移転する前に、新しいサーバーの設定を行っておくことで、移転当日は旧サーバーから新サーバーへとスムーズに切り替えられます。
契約しているネットワーク回線の手続き
ネットワーク回線の手続きは、契約している回線事業者とプロバイダ、双方の手続きが必要です。回線を乗り換えない場合は、そのまま住所変更などの引越し手続きを申込みましょう。
ただし、引越し先によっては、業者の提供エリア外という可能性もあります。提供エリア外だと、必然的に回線を乗り換えないとならないため、事前に確認しておきましょう。回線を乗り換える場合は、解約手続きを行った後、乗り換え先の新規契約を行う手順です。
ネットワーク機器・パソコンの設定変更
回線の移設をして、グローバルIPアドレスが変わる場合は、移転先でルーターの設定変更をしなければなりません。
移転に伴い新規購入なら問題ありませんが、そのまま機器を使用する場合は、スムーズに再設定ができるように、設定に必要なパスワードなどを事前に準備しておきましょう。
LAN配線の設計
移転先に合ったLAN配線のレイアウトを設計し、必要になるLANケーブルを用意しましょう。LANケーブルの長さはもちろんですが、ケーブルタグやケーブルの色にルールを設けて、トラブル時に対応しやすくしておくことが大切です。
今後、業務を拡大していく予定がある場合は、機器の増設を見越した設計を行えば、後の配線がスムーズに行えます。
プライベートIPに変更がない場合は、無線LAN設定を行わなくて良いケースがほとんどです。プライベートIPについてもチェックしておきましょう。
オフィス移転でネットワークのトラブルを防ぐためのポイント
オフィス移転でネットワークトラブルが起きると、業務がスムーズに行えなくなり、場合によっては大きな損害へつながることもあります。ポイントを押さえて、トラブルを事前に防ぎましょう。
データのバックアップを行う
移転の際に、予期せぬ出来事が原因で、データが削除されてしまうおそれもあります。データのトラブルは珍しいことではなく、引越し作業の衝撃でハードディスクそのものが破損してしまうことも、よくあるトラブルのひとつです。
引越し作業によるハードディスクの破損は、業者による補償も期待できますが、内部データが破損していた場合は、通常補償対象にはなりません。
サーバーはもちろん、各パソコンに保存されているデータも、すべてバックアップをとっておきましょう。確実に復元できる方法を決めて、社内で共有しておくことも大切です。
社内向けマニュアルを作成する
IPアドレスが変更された場合など、各パソコンで設定が必要な場合に備えて、マニュアルを作成しておくことをおすすめします。
あらかじめ、設定に関するマニュアルを社員に配布しておくことで、移転先での設定を個人で行えるでしょう。
しかし、マニュアルを見ながら設定しても、上手くできないこともあるかもしれません。また、設定でトラブルが生じた場合や疑問点が出たときに、すぐに対応できるネットワーク担当者を決定しておくと安心です。
専門業者のサポートを受ける
移転先のネットワークの構築や配線設計に自信がない場合は、専門業者に任せた方が安心です。
実際にオフィスが稼働してからでは修正しにくく、セキュリティーなどでミスがあった場合、大きなトラブルに発展することもあります。
移設初日から実際に業務が開始するまで、何かトラブルが起きた際に、すぐに対応してもらえるように、工事担当者に待機してもらうのがおすすめです。
オフィス移転専門業者であるスター引越しセンターは、荷物の輸送だけでなく、配線工事(電話・LAN など)も同時に行うプランをご用意しています。
オフィス移転に欠かせないレイアウト変更や内装工事、不用品の処分もまとめてお引き受けできますので、面倒なことはありません。
ご相談や不明点がある場合は、スター引越しセンターへお気軽にお問い合わせください。
まとめ
オフィス移転に伴うネットワーク移設は、状況によっても変わりますが、なかなか複雑で難しいものです。
後のトラブルに発展しないためにも、専門知識のある担当者がいない場合は、専門業者に依頼するのをおすすめします。
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